2010年4月1日木曜日

地域主体によるデザインコントロールの実態と影響力に関する研究

地域主体によるデザインコントロールの実態と影響力に関する研究
~銀座デザイン協議会を対象にして~
竹沢えり子(東工大院)、中井検裕(東工大教授)
日本建築学会計画系論文集 第75巻 第649号 p.625-633 2010年3月

商業地におけるエリアマネジメントの一環として、まちづくりルールの運用がある。論文の序章で記されているように、まちづくりルールの制定時には積極的な住民参加があっても、その運用は行政に委ねられる場合が多い。一つは公共性の担保という面であろうし、もう一面として公共的な事務局を民の側が運営をしていけないという現実問題もあろう。
本論では、日本一の商店街である銀座を対象に、どのようにまちづくりルールが運用されているのか、非公開の内部資料を本に明らかにしたものであり、この点に高い価値がある。
事務局は、銀座エリアをまとめる全銀座会会員の会費のみで運用されており、自治体から財政的援助も人的援助も受けていない。また、それだけでなく、まちづくりルールの評価について、専門家をアドヴァイザーとして契約を結んでいる。銀座の大旦那や地権者という豊富な財力がそれを可能にしているのだろうと論文には書かれていないが創造が膨らむ。また、同じく銀座で商売をやっていくのならば、事前に建築計画を大旦那や地権者にみせておくこともやぶさかではないだろう。人間的にも優れた人物が多いであろうと思う。
また、雑誌等で有名になっているが「銀座デザインルール」は、明確な数値ではなく、「銀座らしさ」とは何かを問われる内容になっている。事業者側はこれにどのように応えるかが問われる。まちづくりルールとは、ある種の哲学問答であるべきであろう。できれば、これが公開で行われることが望ましいと思う。

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